19Feb
アラントインは、化粧品やハンドクリーム、歯磨き粉などに使用されている医薬品成分です。
最近は美白の効果も期待できるといわれ注目を集めていますが、アラントインにはどのような効果が期待できるのでしょうか。
ここではアラントインの特徴や効果、毒性などを紹介します。
この記事の目次
アラントインとは
アラントインは、牛の羊膜の分泌液から発見された成分です。
植物が新陳代謝するときに生まれる物質なので、胚芽やタバコの種子、コンフリーの根などから摂ることができます。また自然素材以外にも尿素から化学合成をして作ることもできます。
アラントインの主な効果は抗炎症作用です。
傷の治りをよくする効果や皮膚を保護する効果が期待できます。そのため、湿疹やかぶれなどの軟膏や医薬品のリップクリーム、ニキビ治療薬などに含まれる場合があります。アレルギーの刺激を抑える作用もあるので、敏感肌用の化粧品に使用されることもあります。
以前かたつむりを原料とした化粧品が話題になりましたが、かたつむりの粘液にも天然のアラントインが含まれています。かたつむりの粘液には、コラーゲンやエラスチンも含まれているので、美容に良い効果が期待できます。
医薬品としてのアラントインの効果
消炎沈静作用
肌の炎症などを抑える効果です。ニキビや湿疹によって起こる炎症を鎮静する作用が期待できます。
抗アレルギー作用
アレルギーを引き起こす物質であるアレルゲンの影響から肌を守る効果が期待できます。
有効成分としてグリチルリチン酸誘導体とアラントインを配合し、保湿成分を配合したクリームを使用した試験では、アトピー性皮膚炎の患者99名のうち78.8%の方に症状の改善が見られたという結果も出ています。
抗刺激作用
皮膚への刺激を緩和する効果や肌を保護して肌荒れを防ぐ効果が期待できます。
組織修復賦活作用
アラントインは、新しい表皮細胞の増殖の促進や古い角質を排出する作用があることから、「組織修復」の有効成分として厚生労働省から認可されています。
肌荒れや傷、やけどなどのダメージの修復を早める効果が期待できます。
今のところ美白効果は認められていませんが、肌の生まれ変わりを促進する組織修復作用に優れているので、メラニンを排出して色素沈着を防ぐ効果が期待できます。
アラントインの毒性
アラントインについて今のところ人体に対する毒素や副作用などについては確認されていません。
安全性が高い成分として知られていますが、使用するときは必ず注意事項をよく読みましょう。
アラントインが使用されている製品
アラントインは優れたさまざまな効果があり、安全性も高いため、化粧品や医薬品などさまざまな商品に使用されています。ここでは、アラントインが使用されている製品を紹介します。
スキンケア商品
肌荒れやニキビ、吹き出物などの予防や改善目的でアラントインが使用されています。
目薬
角膜表面の修復などの目的で使用されています。
育毛剤、シャンプー
頭皮環境の改善などの目的で使用されています。
口内薬
歯茎の修復などの目的で使用されています。
その他、アラントインはハンドクリームや軟膏、歯磨き粉などさまざまな製品に使用されています。
アラントインは、尿素から人工的に作ることができます。手作りコスメの原料として安価で購入できることから、手作りコスメを作っている人もいるようです。しかし、アラントインは薬用成分なので、知識がない人が作ったコスメは安全性に問題がある場合があります。
アラントインは手作りではなく、市販の化粧品を使用したほうがよいでしょう。